人気ブログランキング | 話題のタグを見る

reference archives

hogetest.exblog.jp
ブログトップ
2007年 10月 19日

地球温暖化問題に仕組まれた「偽装」

 政府やマスコミは情報をコントロールしている

■1.「首都に迫る海」■

 今を遡ること23年前、昭和59(1984)年の元日朝刊で、朝
日新聞は「海面上昇で山間へ遷都計画」と題した記事を掲載し
た。「6兆円かけて20年かかり」「脱出進み人口半減」とい
う見出しが躍る。「首都に迫る海。警戒水域まであと1メート
ルに」というコメントのついた架空の航空写真まで掲載されて
いた。

 世界の平均気温は50年前の15度から18度に上がり、
この結果として極地の氷の融解が加速度的に進むことによっ
て海岸都市の一部が水没する。

 実は、この記事は「50年後の2043年1月1日の新聞にこの
ような記事が載るだろう」という但し書きがついたシミュレー
ション記事なのだが、それが架空の物語であるという記載はど
こにもない。だから、多くの読者は現実的な予想と捉えただろ
う。

 これが「地球温暖化問題」のはしりとなった記事だった。

■2.北極の氷が溶けても海面の高さは変わらない■

 朝日新聞は、事実を正確に報道したり、相対立する見解の両
方を公平に紹介することよりも、自らの考えで読者を説得(時
には扇動)することに熱心ではないか、という印象をかねてか
ら持っていた。慰安婦募集で悪徳業者を取り締まろうとした陸
軍省の文書を「慰安所、軍関与示す資料」と報じて、さも陸軍
が「関与」したかのように見せかけた記事などが、その例であ
る。[a]

 この「首都水没」記事も、その類である。武田邦彦・中部大
学教授の最近のベストセラー『環境問題はなぜウソがまかり通
るのか』には、地球温暖化説のあちこちに仕組まれたウソが暴
かれている。

 最も単純なウソは、北極の氷が溶けても海面は上昇しないこ
とだ。中学生が学ぶアルキメデスの原理で簡単に説明がつく。

 たとえば、いま、1トンの氷の塊が海に浮かんでいるとしよ
う。アルキメデスの原理から、その1トンの重量は、氷が沈ん
で排除している水1トン分の浮力で支えられる。1トン分の水
の体積は1立米である。氷の比重は0.9168なので、1トンの氷
は1.09立米である。差し引き0.09立米の氷が水面上に浮
かぶ。

 しかし、この1トン、1.09立米の氷が溶けると、1トン、
1立米の水になって、ちょうど水面下に沈んでいた体積と同じ
である。だから水面の高さは変わらない。

 逆に言えば、水が凍って容積が膨らんだ分だけが水面上に浮
かんでいるのであり、水面の高さは、氷が溶けても、固まって
も変わらないのである。北極の氷とは、まさにこのように海面
上に浮かんでいる氷であり、それがすべて溶けても海面の高さ
は変わらない。

■3.南極の氷は増える■

 一方、南極の氷は陸地の上にあるので、それが溶けたら確か
に海面は上昇する。南極の氷がすべて溶けると、単純計算では
海水面は60メートルもあがるそうだ。

 しかし、世界の平均気温は上昇していても、南極の気温は逆
に下がっている。1950年頃にはマイナス49.0度だったが、
1984年頃にはマイナス49.5度に下がり、最近ではマイナス
50度に近づきつつある。

 その一方で南極周辺の海域の気温があがると、南極の氷はか
えって増える。海水面の温度上昇により、蒸発する水蒸気が増
え、それが冷たい大陸の方に吹く風で運ばれて、凍って大陸側
に積もる。

 南極大陸の気温が下がり、周辺の海洋の気温が上がることで、
南極の氷が増え、その分、わずかに海面を下げる方向に働く。

■4.環境省の正反対の誤訳■

 国連には「気候変動に関する政府間パネル(IPCC:
Intergovernmental Panel on Climate Change)という研究機関
が設けられている。世界有数の科学者が参加して、地球の温暖
化がどう進んでいるのか、その原因は何か、どのような影響を
与えるのか、を検討している。

 そのIPCCの結論は、北極の氷は当然ながら「関係ない」
とし、南極の方は平均的な予測としては「南極の周りの気温が
高くなると、僅かだが海水面が下がる」となっている。

 ところが、IPCCの報告書を日本語に訳している環境省の
環境白書は「地球が温暖化すると極地の氷が溶けて海水面が上
昇する」と書いてある。

 武田教授の研究室の一人の学生が、環境省の係官に電話して、
なぜ逆の訳をしたのか、と聞いた所、「IPCCの報告書が長
かったので、それを短い文章にしたらこうなった」と答えたそ
うだ。意図的な誤訳なら、悪質な世論操作である。

■5.海面上昇は100年で数十センチ■

 実は、IPCCは、様々な要因を検討して、温暖化によって
海面が上昇するとの結論を出している。それによると、極地の
影響は上述の通り、ゼロ、またはマイナスだが、陸地より海水
の方が膨張率が高いために、温暖化により水位が上がる、とし
ている。

 しかし、その程度は、最も悲観的なシナリオでも、21世紀
末までの100年間で、2.4度から6.4度ほど気温が上昇し、
海面が26センチから59センチ上昇するというものだ。最も
楽観的なシナリオは、温度上昇が0.3−0.9度、海面上昇が
18−38センチである。[2,p13]

 朝日新聞の記事のように、海面が何メートルも上昇して、首
都の移転まで必要になるという状況にはほど遠い。

 しかし、朝日の記事は商業的には大ヒットだった。この年
から、地球温暖化と海面上昇に関する各紙の報道が急増し、記
事数は年約500件のレベルとなった。マスコミ業界としては
それだけ読者の不安を煽る記事で、紙面を賑わせることができ
た。しかし、購読者の方も、毎日1.4件ほども、こんな記事
を読まされていたら、誰でもが真実だと信じてしまうだろう。

■6.現代は寒い時代■

 温暖化の影響として深刻なのは、海面上昇による首都水没と
いうSF的なものよりも、地域的な豪雨による洪水・地崩れ、
旱魃、異常高低温、局地的な台風増加といった異常気象の方だ
ろう。

 ただ「異常気象」というのも、あくまで人間から見たもので
あり、生物全体の歴史から見れば、現代はかつてない寒い時代
なのである。

・3億5千年以上前の古生代では、地球の平均気温は35度ほ
どで、現在よりも20度も高かった。そのために、この時
代は生物が大いに繁栄した。

・3億5千年前から2億5千年前には、第一氷河期を迎え、地
球上の生物の95%が死に絶えたとされる。しかし、この時
期でも平均気温は22度で、現在よりも7度高い。

・2億年前から、25度に気温が上昇し、恐竜全盛の中生代と
なった。

・6700年前から第2氷河期に入り、15度にまで急降下す
る。恐竜を含め、多くの生物が絶滅した。

 多くの生物にとっては、温暖化の「最悪」のシナリオが実現
して平均気温が20度くらいまで上がった方が生存しやすくな
る。ただ、人間だけがこの異常に寒い時期に合わせた文明を築
いてしまったので、「異常な温暖化」と騒いでいるわけである。

 その人類にとっても、気温が上昇した方が緑地面積も広げや
すく、作物も多く取れるようになるので、暮らしやすい面も出
てくる。ただ、その変化があまりにも急激だと、環境変化に急
いで適応できないので、様々な被害が増える、というのが問題
の本質である。

■7.京都議定書の気温抑制効果は最大でも0.05度■

 急激な温暖化の主要因は、やはり石油石炭から排出される二
酸化炭素などによる温室効果である。そこで、各国で協力して
二酸化炭素の排出量を削減しようと約束し合ったのが、京都議
定書である。先進国が「1990年に出していた二酸化炭素の量を
基準として、2010年までに6%削減する」というものである。

 この京都議定書を各国が守れば、地球温暖化はストップでき
るような認識を多くの人々は抱いているが、実際はどうなのか?

 まず、地球温暖化を招いている要因には、太陽の活動や地軸
の傾きなど他にもあり、温室効果ガスの影響は全体の60%程
度と仮定してみよう。

 温室効果ガスには、メタンなどいくつかの種類があり、二酸
化炭素の寄与度は全体の60%程度である。人類が排出してい
る二酸化炭素の総量のうち、先進国が排出している量は全世界
の約60%である。さらに、そのうち京都議定書を批准した国
は60%である。最後に、数値目標としては1990年を基準とし
て、その6%削減である。

 とすると、京都議定書による温暖化の抑制は:

0.6x0.6x0.6x0.6x0.06=0.00777

 と0.777%に過ぎない。ということは、IPCCの最も
悲観的な気温上昇が100年間で2.4度から6.4度だったが、
その最悪値の6.4度でも6.35度へと、0.05度抑制され
るだけである。海面上昇もそれに比例して抑制されると仮定す
ると、最悪値の59センチが58.5センチと、5ミリ下がる
だけである。常識的な判断力を持つ人なら、これを「焼け石に
水」と呼ぶだろう。

■8.森林では二酸化炭素の削減策にならない■

 京都議定書には、もう一つ大きな「偽装」が仕組まれている。
それは「森林が二酸化炭素を吸収する」という前提から、二酸
化炭素の吸収対策として森林を認めている点である。

 林野庁のホームページの「こども森林館」というコーナーに
は、次のような説明がある。

人間1人が呼吸により排出する二酸化炭素は年間約320kg
ですから、・・・およそスギ23本の年間吸収量と同じにな
ります。[3]

 たしかに成長しているスギは二酸化炭素を吸収するが、それ
は成長している間だけである。やがて木材として最終的には燃
やされるか、あるいは枯死して微生物に分解されて二酸化炭素
を排出する。だから森林は同じ本数のまま世代交代を続けても、
二酸化炭素の貯蔵庫に過ぎず、23本のスギ林が、一度、人間
1人分の二酸化炭素を吸収したら、それで満杯になってしまう。

 日本の現在の二酸化炭素排出量3.43億トン/年の6%を
スギ林で吸収しようとしたら、毎年15億本ほどの植林をしな
ければならず、1本4平米として6千平方キロ、すなわち毎年
国土の1.6%づつ森林面積を増やさねばならない。

 日本の森林面積はすでに国土の67%を占めており、世界トッ
プクラスの森林国である。残りすべての33%の国土を毎年、
1.6%ずつ森林にしていっても、20年しか持たない。だか
ら森林を維持する事は大切だが、造林は二酸化炭素吸収策とし
てはほとんど意味がない。

 ヨーロッパの国々は、森林が二酸化炭素を吸収する対策にな
るという論理が破綻していることを知っていたので、京都議定
書の対策方法の一つに入れるのには反対だった。しかし、日本
が強硬に対策として認めることを要求したために、政治的配慮
からこれを受け入れたという。

「こども森林館」には、「この(京都)議定書では、森林が二
酸化炭素の吸収源として重要であることが改めて認識されまし
た」とPRしているが、日本の森林関係者が圧力をかけて、偽
装の対策として「認識」させたのだろうか。

■9.「政府やマスコミが情報をコントロールしている」■

 朝日新聞は、本年5月5日付社説で「温暖化防止 一刻の猶
予もならない」と題して、こう述べた。

 先進国に温室効果ガスの排出削減義務を課した京都議定
書の第1期は来年始まり、12年まで続く。ところが最近、
カナダが目標達成の断念を表明、米豪両国はすでに離脱し
ており、枠組みが揺らぎかけている。日本は目標を追求し
続けることで逆行の流れを阻むべきだ。[4]

 朝日新聞は京都議定書を金科玉条のように絶対視しているよ
うだが、その議定書が守られたとしても、上述のように気温を
せいぜい0.05度下げる程度の効果しかない。

 それよりも、この社説のように、京都議定書を「死守」する
ことが、地球温暖化にさも効果的であるかのような「幻想」を
ふりまいている事の方が、マスコミ報道として問題なのではな
いか。地球温暖化に対して、我々はほとんど実効を期待できる
方策を持っていない、という冷厳な事実を覆い隠しているから
である。

「温暖化で首都が水没する」というSF記事、環境庁の「極地
の氷が溶けて海面上昇」という誤訳、林野庁の「森林が二酸化
炭素を吸収する」という虚構、そして効果のほとんど期待でき
ない「京都議定書死守」の主張、、、

 ある東大の若手の先生が、武田教授に「現代の日本は民主主
義ではない」と言ったそうだ。その理由は「民主主義ならば国
民が主人公である。従って、国民が最初にすべての情報に接し
なければならないが、日本では政府やマスコミが情報をコント
ロールしている」面が大きいからだと言う。

 この情報コントロールを打破するには、我々が日頃からマス
コミや政府の「定説」を批判する「異論」に注意を払っていく、
ということが大事だろう。この武田教授の著作のように。
(文責:伊勢雅臣)


a. JOG(106) 「従軍慰安婦」問題(上)
 日韓友好に打ち込まれた楔。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog106.html
b. JOG(350) ダイオキシン騒動〜 「魔女狩り」騒ぎのメカニズム
 事実はいかにねじ曲げられ、煽動に使われたか。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h16/jog350.html
c. JOG(415) 情報鎖国の反原発報道
 世界が第2の原発発展期に入ろうとしている中で、日本では
非科学的な「反原発」報道が続いている。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h17/jog415.html


武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』★★★、洋泉社、H19
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862481221/japanontheg01-22%22

http://blog.mag2.com/m/log/0000000699/108805071.html



ゴア氏の映画「不都合な真実」、英裁判所が是正措置要求

 【ロンドン=森千春】英高等法院は10日、アル・ゴア前米副大統領が地球温暖化について警告した映画「不都合な真実」について、政治的に偏向し、部分的に誤りがあるとして、学校での上映に際して是正措置をとるよう求める判決を下した。
 判決言い渡しで裁判官は、グリーンランドを覆う氷が溶けて「近い将来に」水面が7メートル上昇するかもしれないというくだりは、「科学的な常識から逸脱している」と指摘。地球温暖化でアフリカ最高峰キリマンジャロの雪が後退しているという主張も科学的裏付けがないとの判断を示した。ただ、「地球温暖化が人為的な原因で起きている」という全体のメッセージについては、妥当だと認めた。
 英国では、教育省が環境教育の一環として、「不都合な真実」のDVDを学校に配布。英南部ケント州に住む2児の父親が、学校での政治宣伝を禁じた教育法に反するとして、上映禁止を求めて、裁判を起こしていた。
(2007年10月12日0時9分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071011i312.htm

by thinkpod | 2007-10-19 15:00 | 社会


<< 集団自決と検定      日本と欧米の植民地主義の違い >>