2006年 10月 28日
影響力阻止狙う「策略」 【産経新聞 2004年10月22日】 【ワシントン=古森義久】中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ(政治宣伝)工作を本格的に開始したことが、このほど解禁された米国中央情報局(CIA)の秘密文書から21日、明らかとなった。 CIAは中国の1948年から76年までの内政や外交を詳しく分析した国家情報評価の秘密文書約500ページを18日に解禁したが、その中には中国の日本に対する政策や工作に関する記述も含まれている。 70年11月の「共産中国の国際姿勢」と題する文書では、「北京政府は日本の内部問題への限定的な干渉を進めることを決め、軍国主義復活という帝国主義的な日本の亡霊を掲げる集中的なプロパガンダを開始した」と述べ、この宣伝工作は「アジアの伝統的な日本へのおそれをあおり、日本の影響力を断つことも目的とする外交政策上の策略」だと断じている。つまり、米国としては中国の対日宣伝の非難は事実に反する「亡霊」づくりとみていたことが明らかにされている。 文化大革命の最中にあった当時の中国共産党首脳が日本に対しそうした動きをとるようになった背景の説明として、この文書は(1)日本は顕著な経済実績とアジアでの積極的役割拡大に向けた米国の支持により、北京にとりアジアで特別な存在となった(2)北京は日本の潜在的な軍事力と大東亜共栄圏復活への意図に懸念を抱き、とくに69年11月の佐藤・ニクソン共同声明での沖縄返還と日米同盟強化でその懸念を高めた(3)北京はこの声明が日本のアジアでの影響力拡大を奨励したとみて、日本が米国がアジアから撤退した場合に経済や軍事で中国を抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ、とくに台湾の保護者となることを阻止したいとしている−などを指摘している。 文書は中国の対日工作の内容については、「日本の指導者、政治、アジアでのいわゆる野心などに対する硬直的で、口汚い攻撃的なプロパガンダ」と述べる一方、中国が日本への非難を激しくするのは「日本国内での中国側の政治的資産やテコが大幅に減り、文革の過激な言動のために中国のイメージも極端に悪化したため」、プロパガンダが日本国内であまり効果をあげないからだ、と分析している。 中国の「日本国内での政治的資産」について、CIAの別の中国評価文書は1960年代の状況として「中国への支援は日本共産党内の少数派の一部勢力や特定の過激派学生や労組の間に存在する」と述べながらも、日本共産党の親ソ連派に押されて大きな力はない、としている。 中国の対日宣伝の総括的な効果について、70年の文書は「北朝鮮のほかには東南アジアの一部の人たちを印象づけたかもしれないが、日本人への影響は少なかった」と総括している。 「本当に“アジア外交”の扉は開いたか? 日本に深く浸透する中国共産党の概念」 『週刊ダイヤモンド』 2006年10月21日号 安倍晋三首相の中韓両国訪問によって、閉じられていた“アジア外交”の扉が開けたかに見える。 扉の開き方はこれでよかったのか。安倍外交は始まったばかりであり、評価については慎重でありたいが、そこには深刻な問題が含まれていると思えてならない。だが、“識者”“専門家”らをはじめ、世論は大概、安倍外交の第一歩を高く評価した。こうした日本人の対中姿勢はどこから生まれてくるのか。一つの歴史資料を連想せずにはいられない。 それは、先週の小欄で触れた中国共産党による「日本解放」のための秘密指令の「日本解放第二期工作要綱」である。日中国交樹立時の1972年にまとめられた同文書は、第一期の目的、日本の資金、技術の獲得を可能にした日中国交樹立がすでに達成され、工作は第二期に入るとの前提に立ち、「第二期工作要綱」と題されている。 同文書は「日本が現在保有している国力のすべてを、わが党(中国共産党)の支配下に置く」ことを基本戦略とし、そのためには各界の日本人のコントロールが必要として、対象グループごとに働きかけの方法を具体的に示している。たとえば、政治家に対しては次のとおりだ。 国会議員は「個別に掌握」し、「秘密裡に本工作員の支配下に置く」との大目標の下、次のように五項目の指示が列挙されている。(a)第一期工作組によって獲得ずみの者を除き、残余の議員全員に接触ルートを最少四本確保する、(b)各党の役職者や有力者は、秘書、家族、彼らに強い影響力を持つ者の三者に、おのおの個別の接触ルートを最少二本確保する、(c)全情報は「議員身上調書」として整理、公私にわたる情報を細大漏らさず集積する、(d)党ごとに議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に分類、後者は党内勢力をそぎ孤立させる、(e)支配下に置くためには、カネ、権力、名声など欲するものすべてを与え、または約束する。中傷、離間、脅迫、私事の暴露などいかなる手段も可である。 以上の指示のあとにはこうも書かれている。「敵国の無血占領が、この一事にかかっている」「いかなる困難、醜悪なる手段も厭うてはならぬ」。 日本国内でこのような工作を行なった後、全議員への「招待旅行」を実施せよと、同文書は指示。中国政府の招待に応じない“反動極右分子”の政治家でも“形式のいかんを問わず”必ず中国を訪れるよう工作せよと強調する。 入国した議員には「C・H・工作』を極秘裡に行なう」とあるが、同工作の内容は不明だ。工作の詳細は不明でも、現実に中国に“弱点”を握られ、あるいは“欲する物”を与えられ、公然と中国に反対したり非難したりすることができない状況にあるであろう幾人かの政治家の顔がただちに浮かんでくるのが、日本の危うい現状だ。 中国共産党による日本人への働きかけは底深い。右に引用した政治家対象の手段は、そうとわかれば日本人の反発を食らう性質のものだ。しかし、一連の活動が学界、マスコミ界、財界などの分野に配された“2,000人の工作員”によって、10年20年単位で深く静かに、秘密保持を絶対条件として実行されてきたとしたら、自らも気づかないうちに、日本人は中国共産党の物の見方に染め上げられてきたといえるのではないか。 村山談話を引き継ぎ、日本を歴史の侵略国と位置づける地平に立つ安倍外交はこれからどう展開していくのか。来年の参院選に勝利した後、余裕を得て軌道修正するのか、中国もいずれ変わると期待するのか。確かに未知の要素は存在する。だからこそ現時点での断定は避けたい。しかし、歴史問題について主張すべき点を主張せず、譲ってはならない点を譲ったのではないかとの疑問は払拭出来ないのだ。 http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2006/10/post_475.html (昭和47年8月)中国共産党「日本解放第二期工作要綱」目次 http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/S47/4708/470801china.html 中共「対日政策要領」 - http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-54.html 共産主義黒書 コミンテルン・アジア篇 - http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-61.html
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| 2006-10-28 16:39
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