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2005年 11月 29日

“中韓キムチ戦争”で発覚、とっても怖い「回虫」

【サラリーマンを襲う病気】
 中国産に続き、韓国産キムチからも回虫の卵の混入が発覚した。韓国の食品医薬品安全庁は「仮に摂取しても人体に感染する恐れは少ない」と火消しに躍起だが、そこに「待った!」をかけるのは、『カイチュウ博士』こと東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎博士。注意したい“危ない回虫”について解説してもらった。(2005.11.17掲載)

★寄生虫が臓器をさまよう
 「韓国側は、『韓国産のキムチから見つかった回虫の卵は安全』と発表しましたが、決して安全とは言い切れない。むしろ中国産に混入していた回虫の卵の方が害は少ないのです」
 中国産のキムチに混入していたのは『ヒトの回虫の卵』で、原料の白菜の栽培に人の糞尿を使った(有機栽培)ことが原因といわれる。
 一方、韓国産に見つかったのは『イヌやネコの回虫の卵』。ここに大きな違いがあるというのだ。
 「人には人、犬には犬、猫には猫と、それぞれ動物によって寄生する回虫の種類が違う。人間がヒトの回虫の卵を飲み込むと、回虫の卵は小腸で孵化して、出てきた幼虫は親虫になって静かに小腸で暮らします。しかし、イヌやネコの回虫の卵を飲み込んだ場合、小腸で孵化して幼虫になっても人体は犬や猫の体内と環境が違うため、幼虫は親虫に成長できないまま、住みやすい環境を求めて何年も体内のいろいろな臓器をさまよい歩き悪さをする。これを『幼虫移行症』といいます」
 一時期、子供の遊ぶ砂場の回虫卵汚染が問題視されたのはそのためだ。魚の生食による寄生虫の感染で胃に激痛が走るアニサキス症や、キタキツネとの接触で肝臓の病変ががんのように増殖するエキノコックス症など、寄生虫が人間に引き起こす病気の大部分は「動物の寄生虫」であって、「ヒトの寄
生虫」ではない。ここが大事なポイントだ。

★少数だが失明の危険性も
 ヒトの回虫でもまったく無害というわけではない。回虫は小さな孔が好きなので胆管、膵管、虫垂などを塞栓することがある。また多数の感染では塊状になり腸閉塞を起こした症例もある。
 しかし、小腸内で静かに寄生している分には、軽い腹痛や下痢、食欲不振などの症状が時々ある程度で、ほとんど悪さをしないと思っていい。
 それでは幼虫移行症という特徴をもつイヌ・ネコ回虫の場合はどうか。「犬や猫の回虫は、タヌキやコウモリの回虫と同じトキソカラ属で、この種の幼虫はヒトの体内では大部分が肝臓に移行します」
 寄生して肝臓が腫れると、微熱や体がだるいなどの症状が現れる。
 「もっと元気な一部の幼虫は肺に入って一過性の肺炎(咳やぜい鳴など)を引き起こす。さらに元気な幼虫になると血流にのって目の網膜までたどり着き、視力障害を起こす場合があります。非常に少ないが失明する危険性だってあるのです」
 過剰な恐怖心を抱かせるのはよくないので付け加えておくが、実際にはイヌ・ネコ回虫症と診断された患者はこれまでさほど多くはいない。世界でも
たった2000人ほどで、日本では約200人しかいない。
 イヌ回虫の幼虫が眼球の網膜から摘出されたのは、日本ではたった2例だけだ。
 イヌ・ネコ回虫症の感染では、ネコ回虫によるものが圧倒的に多く、主な感染経路は牛や鶏のレバーの生食といわれる。これは回虫卵を食べたゴキブリの糞で汚染された飼料を、牛や鶏が食べることで幼虫が肝臓(レバー)に寄生する。

★未成熟卵なら感染しない
 韓国産キムチから今回、検査でみつかった回虫卵は、未成熟だった。
 「イヌ回虫は生後半年から1年までの幼犬にのみ寄生し、ネコ回虫は猫の約20%がもっている。これらの回虫が毎日産生する卵は糞便に混じって排泄されるが、これをそのまま飲み込んでも感染しません。新鮮な糞便中に存在する回虫の卵は未発育で、感染可能な成熟卵になるにはイヌ・ネコ回虫の卵の場合には2~3週間、土や野菜の上(地表)で放置されなければならない。つまり新しいウンコでよかったということです」
 韓国では家畜の糞尿の堆肥から化学肥料に代わった10年ほど前から白菜の寄生虫検査は中断されていたという。
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■キムチ戦争とその背景
 中韓キムチ戦争のことの発端は韓国の野党ハンナラ党議員の「中国産キムチの鉛含有量が基準値を上る」という指摘から始まった。その後の食品医薬品安全庁の調査で、鉛疑惑は「安全水準」が確認されたが、同議員は、今度は寄生虫の検査を指摘。中国産16製品と国産10製品を検査したところ、中国産キムチにだけ寄生虫が発見され、韓国政府は10月下旬対象商品の輸入を禁止した。
 一方、中国も同月末に韓国産からも寄生虫の卵が検出されたと発表、同様に輸入禁止措置をとった。これに韓国世論は「報復措置だ」と猛反発。両国の摩擦はよりヒートアップした。
 そんな中、韓国の安全庁が中国産キムチ58製品と国内502社製品を追加検査したところ、国内16社から寄生虫の卵の混入が発覚。韓国は自らボケツを掘り、国民の怒りが噴出して大混乱の事態となっている。
 韓国で寄生虫の卵がみつかった16社中1社だけが騒動が勃発する以前の9月まで日本への出荷を行っていたが、それ以降の商品は出回っていない。

“中韓キムチ戦争”で発覚、とっても怖い「回虫」

by thinkpod | 2005-11-29 02:21 | 半島


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