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2005年 10月 01日
きわめて疑問の多い「違憲」判断である。 小泉首相の靖国神社参拝について大阪高裁は、内閣総理大臣の職務行為と認定し、憲法が禁止する「宗教的活動に当たる」として、違憲との判断を示した。 台湾人や日本人の戦没者遺族らが、国と首相、靖国神社を相手取り「信教の自由などを侵害され、精神的苦痛を受けた」として損害賠償を求めていた。 判決は請求を棄却した。しかし、首相は「3度にわたって参拝した上、1年に1度参拝を行う意志を表明するなどし、これを国内外の強い批判にもかかわらず実行し、継続しているように、参拝実施の意図は強固であった」との判断を示した。目的は「政治的なもの」だったともしている。 近隣諸国の批判などを理由に首相の靖国神社参拝を違憲だとするなら、この判決こそ政治的なものではないか。 歴代首相は毎年正月に伊勢神宮に参拝している。これも国が伊勢神宮と「特別の関(かか)わり合い」を持っているということになるのだろうか。 伊勢参拝は私的行為なのか、公的行為と見るのか。 1978年に「A級戦犯」が靖国神社に合祀(ごうし)され、翌年そのことが明らかになった後も、当時の大平首相、次の鈴木首相は、従来通り靖国神社に参拝したが問題にならなかった。中国が抗議を始めたのは85年に中曽根首相が「公式参拝」をして以後のことである。 首相の靖国神社参拝をめぐっては賛否両論あるが、憲法違反か否かは、そうした政治的議論とは別次元の問題だ。 憲法の政教分離原則の合憲、違憲性について最高裁は77年の津地鎮祭判決で、国と宗教とのかかわり合いを全く許さないのではなく、国の行為の目的と効果にかんがみ「社会通念」に従って客観的に判断すべきだ、とした。 今回の判決の前日には、東京高裁で小泉首相の靖国参拝を「私的行為」とする判決が言い渡されたばかりである。 小泉首相の靖国参拝をめぐっては、3件の控訴審判決と7件の1審判決が言い渡されている。今回の大阪高裁判決と昨年4月の福岡地裁判決以外は、いずれも憲法判断以前の法律判断で請求を棄却している。 福岡地裁判決は傍論の形で違憲判断を示し、請求を棄却したため、国は控訴できなかった。原告が「完全勝利」として控訴しなかったため判決が確定した。 今回の判決も、「結論」とは関係のない“実質的傍論”として違憲判断が示されたが、首をかしげざるを得ない。 (2005年10月1日1時54分 読売新聞)
by thinkpod
| 2005-10-01 22:04
| 政治経済
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