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2005年 06月 23日

化学兵器処理

 関西弁でいうと、「だから言わんこっちゃない」である。中国が、「遺棄」された旧日本軍の化学兵器処理費として一兆円以上をふっかけてきた。日本側の見積もりの五倍以上である。

 ▼化学兵器禁止条約には、毒ガス兵器を他国に「遺棄」した国は廃棄義務を負うと明記されている。だが旧日本軍は勝手に遺棄したわけではない。終戦時に武装解除された際、中国に貯蔵していた化学兵器の大部分をソ連軍と中国側に引き渡している。武装解除前の混乱時に安全処置をせずに捨ててしまった一部の砲弾を除き、処理の責任は旧ソ連と中国側に移った、ととるのが常識だ。

 ▼にもかかわらず、「条約に従って全部処理する」と約束したお人よしな国は、世界広しといえども日本だけである。なぜこんなバカな取引に応じてしまったのか。ここにもやはり、あの二人が浮かび上がってくる。

 ▼村山富市首相と河野洋平外相(現・衆院議長)のコンビである。平成七年に日本が禁止条約を批准する際、遺棄化学兵器の処理を日本の負担で行う方針を固めてしまったのだ。その後の平成十一年になって、この問題に関する日中間の覚書が交わされたが、その内容は中国側に圧倒的に有利だったのは言うまでもない。

 ▼砂糖にむらがるアリのように、巨額のカネが動くプロジェクトには怪しげな影もちらつく。今年度予算にはすでに百七十億円が計上されているが、大半を公開入札ではない随意契約により、無名企業がたった一社で受注している。

 ▼遺棄化学兵器の処理には強い異臭が漂っている。一刻も早くニオイの元を断たないと、国民は所得税の増税のうえ、「化学兵器処理税」も負担させられかねない。独りよがりの歴史観による失政のつけは大きい。
Sankei Web
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by thinkpod | 2005-06-23 01:58 | 政治経済
2005年 06月 22日

遺棄化学兵器処理 中国案では1兆円超 施設分散を要求、膨張

 中国に遺棄されている旧日本軍の化学兵器の廃棄処理をめぐり、日中両国が交渉を進めてきたが、中国側の要求を受け入れた場合、日本の拠出金は一兆円超となる見通しであることが、日本側の非公式な試算でわかった。処理施設を一カ所に集中させる日本案に対し、中国側が複数設置を求めているためだが、遺棄砲弾数をめぐる認識でも日中間には三倍近い開きがある。付帯施設の建設費などが加われば、日本の負担は地滑り的に膨張する公算が大きく、処理事業は苦境に立たされ、ぎくしゃくする日中関係をさらに悪化させる可能性がでてきた。

 遺棄化学兵器の処理は、中国が一九九七年四月に化学兵器禁止条約を批准したのにともない、日本が十年後の二〇〇七年四月までに廃棄する義務を負う。これを受け日本政府は九七年八月、現内閣府内に遺棄化学兵器処理対策室(現処理担当室)を設置し、中国側と廃棄に向けた交渉を続けてきた。

 内閣府が所管し、外務省、防衛庁で構成する現地調査団の報告によると、中国国内に遺棄されている砲弾は約七十万発と推定される。施設の設置場所について両国は、砲弾の九割以上が集中する吉林省敦化市郊外のハルバ嶺にすることで合意している。

 ところが、関係筋によると、中国側は砲弾が吉林省のほか、河北、河南、江蘇、安徽など複数省に分布しているため「移動にともなう危険回避」などを理由とし、各地にサブプラントを設置するよう求めてきた。

 サブプラントの設置場所は、日本が設置した砲弾の一次保管庫がある北京や南京など五カ所とみられているという。

 日本側は、砲弾をメーンプラントと位置付けるハルバ嶺に集め、一括最終処理する案を提示していた。

 これを前提に内閣府が見積もった当初予算は二千億円。年内に国際入札で参加企業の選定に入る方針だが、遺棄砲弾数をめぐっても中国側は「二百万発」と主張し、七十万発とする日本側の認識と大きな隔たりがある。

 今後、新たな砲弾が確認されれば処理作業の長期化も予想され、これに施設増設による建設費の膨張分などが加われば、「一兆円規模という単体では前代未聞の巨大プロジェクトとなる可能性もある」と試算にかかわった政府関係者は指摘する。

                 ◇

 ■責任・使途不透明 禍根残す恐れ

 日中間の懸案だった遺棄化学兵器の廃棄処理問題は、中国側の新たな要請を受け、一兆円規模という巨額プロジェクトとなる可能性が出てきた。だが、責任範囲すらあいまいにしたまま中国側の要求を受け入れれば、日中関係にも禍根を残す危険をはらんでいる。

 日本側の見積もる予算枠の前提である内閣府の当初計画によれば、中国吉林省のハルバ嶺に建設される施設の処理能力は毎時百二十発。日本が推定する七十万発を処理するには、三年を要するという想定にたつ。

 中国側は遺棄砲弾はその三倍近い「二百万発」と主張するが、そもそも七十万発でさえ化学兵器禁止条約に基づく二〇〇七年四月の期限までに廃棄するのは、物理的に難しい。

 しかも中国側はサブプラントの複数設置を新たに求めており、予算枠にはとても収まりそうにない。

 一方、費用の使途をめぐっても、今後の議論を呼びそうだ。例えば、調査活動に協力した中国人スタッフに日本側が支払った日当は百ドル。ところが「実際に本人たちに支払われるのは十元(約百三十円)程度」(関係者)とされ、中国側による中間搾取の構造が透けてみえる。

 日本政府は今年三月、対中政府開発援助(ODA)の大半を占める対中円借款の打ち切りを決めたが、一九七九年に始まった対中ODAは累計で三兆三千億円強。対する遺棄化学兵器処理は、わずか数年の間に一兆円規模の拠出を迫られる。

 しかも償還が前提の円借款とは異なり、今回の拠出はいわば出しっぱなしの“無償援助”に近い。無論、廃棄処理は化学兵器禁止条約に基づいて日本が負うべき責務であり、日本は相応の覚悟が必要だが、同時に中国に対しては、誠意と透明性のある環境整備を毅然(きぜん)として求めていく必要がある。(長谷川周人)

                  ◇

 《遺棄化学兵器》第二次大戦中に旧日本軍が対ソ戦に備え、中国に持ち込んだ化学兵器の未処理分。装填される化学剤は糜爛(びらん)剤(マスタード)など6種。残存数は日本側は70万発と推定し、中国側は200万発と主張している。中国は97年に化学兵器禁止条約を批准。これを受け日本は2007年までに全面廃棄の義務を負った。同条約は「他の締約国の領域に遺棄した化学兵器を廃棄する」(第1条3項)と定める。日中は99年、日本が廃棄に必要な費用や要員を全面提供する覚書に署名した。
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by thinkpod | 2005-06-22 01:51 | 政治経済