2005年 08月 23日

平沼赳夫 国会提言

真の改革と国民のための政治を  ( 2005/08/17 )

■選挙とは自分の政策・信念を有権者に問うべきもの
先日、院議をもって在職25年の表彰をいただきましたが、私はこう見えて、選挙では結構苦労いたしました。二回落選し三度目の挑戦でようやく旧岡山1区から当選させていただきました。私は今から約30年前、衆院選初挑戦の落選から今日まで一貫して「自主憲法制定(憲法改正)」を政治信条・選挙公約に掲げて参りました。
当時は「平沼は右翼だ」「平沼が当選すれば日本は戦争への道をたどる」などと散々批判されました。支援者の方からは、落選中も当選後も「憲法改正や教育では票にならないから言わないほうが良い」と忠告されましたが、私が政治家を志した信念の原点をはずすことは出来ませんでした。
その後も消費税導入のときも間接税が我が国の将来設計には必要との観点から「導入やむなし」と公約に述べさせていただきました。小選挙区制導入論議の際には「政治改革イコール選挙区改革(小選挙区制導入)ではなく、政治腐敗防止の徹底であるはずだ」との信念を曲げなかったため守旧派というレッテルを頂戴いたしました。
いずれのときも選挙で得票が減りました。しかし私は政治家として、自分自身に対しても国民有権者に対しても嘘はつけません。
選挙とは自分の政策・信念を有権者に問うべきものであるはずです。批判を受けそうな政策に触れず、時の権力者や世論の流れに迎合し、言葉だけの派手なパフォーマンスで票になりそうなことだけを言っていればよいのでしょうけれども、信念を曲げ、嘘や方便を並べて当選を第一とすることは私には出来ません。こんな頑固な候補者ですから、地元の後援会や支援者の皆様には大変ご苦労をおかけいたしております。今日まで私をお育ていただき、お支えいただいている皆様に心からの感謝を申し上げます。

■看板や字面ではなく、真に国民の利益になる「改革」を
郵政改革の推進自体には賛同しています。公務員制度の抜本改革、天下りの禁止の徹底なども含めて改革は推進しなければなりません。ただ今回の政府提出「法案」は公社化2年目の折り返し点で、党内議論・国民議論も成熟しておらず余りにも拙速であること、法案の内容も地方の切捨てに繋がりかねず、また「分社化・株式会社化」によって貴重な国民金融資産の外資流出の恐れがあり、より慎重審議を積み重ねるべきであるという考えから、現時点では到底容認できるものではなく、採決の際に反対票を投じました。
竹中平蔵氏が中心になって作成された郵政民営法案の内容が、米国から日本政府に提示される「年次改革要求書」に準拠し、分社化・株式会社化によって外国資本(ヘッジファンド)に金融資産が取得・買収しやすいものとなっていることが最大の懸念です。日本の将来のためにこそ使われるべき資産や利益が外資に吸い上げられる危険性に対して、きちんとした防衛策が必要です。改革は進めなければなりませんが、内容に関係なく取り敢えず通せばよいというのでは余りにも無責任です。国の方針や法律はゲームのように簡単にリセット出来るものではありません。だからこそ危惧される点をひとつひとつ吟味し成案を得るべきだと主張しているのです。改革とは「看板」だけではなく、真に国民の利益になる内容こそが重要です。

■言論や表現の自由を脅かす「人権擁護法案」には断固反対
公明党が強く求めている「人権擁護法案」は、郵政法案と同様の党内議論を無視した強権的な手法で国会提出・採決が強行されようとしていました。この法案は、「人権侵害」の定義が曖昧であり、拡大解釈が可能で歯止めがありません。また人権委員に令状なしで立ち入り捜索や押収などの強力な調査権を与え、委員に「国籍条項」を設けることも拒否し、強力なメディア規制法を備えており「人権特高警察設置法」「言論統制法」とも言うべき、国民生活や言論・表現の自由に根底から影響を与えかねない危険性と問題を持っている法案です。そしてこの法案は安易な外国人参政権付与へと繋がる可能性があります。この法案内容について国民に提示することもせず、法務部会における議論の一方的な打ち切りをはじめ、修正案の拒否、強引に執行部一任を取り付け国会提出をはかろうとしたことなど、この法案の内容や自民党内の強引な動きについて、全てのメディアが全くといっていいほど報道しないという異常な状況がありました。これは危機的状況です。普通に生活している人々の人権が守られる、安心できる社会の実現こそが真の人権擁護であると考え、余りにも問題が多い法務省「人権擁護法案」・民主党「人権侵害救済法案」にはこれからも断固反対して参ります。

■「議論」の否定は、民主主義の「死」
郵政法案と人権擁護法案は表裏一体、二つの法案は「セット」と申しても良いものです。性急で強引な進め方も双子のように似ています。ひとつはアメリカの注文、ひとつは公明党の注文、いずれも原案通りに進めることが注文先の希望と利益になることですから、修正・変更には応じず、内容の吟味や議論の打ち切りを行い、何が何でも可決を目指そうとする姿勢に繋がります。しかし郵政法案に関して自民党内で衆議院において大量51名の法案内容の慎重審議を求めるが議員が出て、僅か5票差での通過という事態になり、参院での審議を前に人権擁護法案の国会提出は更なる波乱要因となることから今国会提出は見送られました。
「改革」「人権」いずれも大切なことでありますが、看板や字面よりも重要なのは「法案の内容」です。郵政法案も、人権擁護法案も、内容についての危険性や問題点について吟味し、国民の不利益にならないものにしようとするための議論そのものを否定・封殺する現在の状況に、大変大きな危機感を抱いています。議論を否定しては民主主義とは言えません。

私は参議院で、郵政法案が可決否決にかかわらず、衆議院の解散が行われるものと覚悟いたしておりました。
それは小泉総理と党執行部・公明党が、郵政民営化法案の修正なしの再提出・可決と、人権擁護法案の提出・可決を期している以上、慎重審議派の排除は急務であるからです。
現に今や改革推進に反対している訳でもない「慎重審議論」は、「反対派」「抵抗勢力」とのレッテルを張られ、非公認とされ、マスコミからも批判的な扱いをされています。
私は自由民主党が、他国や他党の利益や要求を優先するのではなく、日本国の国益そして日本国民のための政策実現に向けて、党内で侃々諤々の議論を積み重ねてゆくまっとうな姿に一刻も早く目覚め、立ち戻っていただきたいと心から願っています。
自民党が真に国民が安心できる保守政策を訴えて選挙に臨むことこそが、他党との選挙協力に依存しなければ選挙に勝てないという呪縛から解き放たれ、国民有権者の信頼を回復する唯一のまっとうで正しい道であると信じます。

■まっとうな政治で、まっとうな日本を創る
もとより日本が抱えている重要課題は郵政民営化だけではありません。
何よりも国益を守り、日本国の伝統や文化、日本国民の生命、財産、主権、教育を日本自身の手で守ること、国民の安全・安心を保証することこそが日本国政府、そして政治に携わるものの責務であるはずです。
国民の安心・安全の確保を最優先にする国家運営とそのための政策課題の優先付けを徹底することにより、真に日本にとって大切な課題に全力で取り組んで参る必要があると考えます。
また北朝鮮拉致被害者の救出のためにも、一刻も早く経済制裁の発動を行い、国家として日本と日本人に対するテロや不当な行為は断固許さないという意思を明確にし、決然とした行動を起こすべきです。
ひたすら郵政民営化に狂奔し、その影で国民の目から隠すようにして人権擁護法成立を画策している小泉政権下において後回しにされてしまっている国家的な命題、ようやく端緒についた自民党の党是でもある憲法改正、教育基本法改正、年金をはじめとする社会福祉政策、安全保障問題、地方の活性化、北朝鮮拉致問題や繰り返される領海侵犯や不当に踏みにじられている日本の主権や日本人の生命に係わる外交課題の解決、安心して生活できる治安の回復、日本経済の中核である中小企業対策を中心とした地に足がついた景気回復などに早急に取り組み、国民全てが心を一つにして、まっとうな日本を創るために全力を傾注することが重要です。
これら憲法や教育基本法改正など国の根幹を左右する肝心要の政策が、公明党との考え方の違いによって制約を受け、自民党の独立独歩が失われているとするならば、今こそ謙虚に連立そのものを見直す必要があると考えます。

奇をてらわない堂々と落ち着きを持った、まっとうな視線を持ち、すさんだ心を整地して情感豊かな日本を取り戻さねばなりません。

まっとうな真正自民党の再建と、祖国日本と愛する郷土の確かな未来のために、私はあきらめることなく全力で取り組んで参ります。
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by thinkpod | 2005-08-23 18:23


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