2005年 08月 09日

スイス在住外国人:国籍取得で反対派広告 違法性認めず

【ジュネーブ大木俊治】昨年9月に行われたスイス在住外国人の国籍取得条件緩和をめぐる国民投票で、反対派の新聞広告が人種差別に当たるとしてイスラム教団体などが告訴していた問題で、スイス・チューリヒ州検察当局は、広告は違法とは言えないとして立件の断念を明らかにした。スイス放送などが報じた。
 新聞広告は、右派国民党系の団体がスイス各紙に掲載。イスラム教徒の出生率が急増しているとして、スイス政府の統計を根拠に「条件を緩和すれば、2040年にはスイス人の72%がイスラム教徒になる」などと警告した。
 国民投票はスイス国籍取得を求める移民について、2世の審査基準を緩和し、3世は希望すれば自動的に認めるとする政府提案の是非を諮った。結果は、2世について反対56.8%、3世については反対51.6%で、いずれも否決された。
 17件の告訴を受けたチューリヒ州検察当局はスイス放送に対し、この広告が間接的に国民の“恐怖心”をあおったことは認めたが、「法的に、イスラム教徒への憎悪をあおったり、イスラム教徒を侮辱したとは言えない」と語り、違法性は認められないと判断したことを表明した。
 スイス政府は「広告の示した結論はばかげている」と、公式統計との関連性を否定している。
 キリスト教徒が大多数のスイスではイスラム教徒の人口比は約4%。移民は他の欧州諸国に比べて国籍取得が難しく、スイス住民の約20%は国籍を持たない「外国人」だ。このため国籍取得条件の緩和を求める声が高まる一方、外国人の流入による犯罪増加やテロ発生を懸念する声が出ている。
毎日新聞 2005年8月9日 13時10分
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by thinkpod | 2005-08-09 16:29 | 国際


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