2006年 11月 02日

在日のメンタリティー

在日外国籍市民の参政権を考える連続講座 第3回
演題:在日韓国・朝鮮人と国籍
 講師:李敬宰さん
日時:2001年12月14日18時30分〜 場所:京都YWCA
【講演記録】の[質疑応答]より抜粋

ただ、在日が日本国籍をとるということになると、天皇制の問題をどうするのかという人がいますが、外国人がたくさん日本国籍を取ったほうが、早く天皇制は潰れると思います。というのは、この先もどんどん外国系市民が増えます。ある統計では、一〇〇年後には五人の内三人が外国系になるといいます。そうなれば、日本で大和民族がマイノリティーになるのです。だから、私はあと一〇〇年生きて、なんとしても日本人を差別して死にたいです。これが夢です(笑)。そういう社会が来たら、その時に天皇なんていうのは小数民族の酋長さんみたいなものになります。

こうした素晴らしい戦術があるのに、それを、今の左派のように、日本国籍を取ったらダメだということをやっていたら、いつまでたっても天皇制は温存されたままではないですか。

国籍問題を考える・資料集
ttp://members.jcom.home.ne.jp/j-citizenship/siryousyuu7.htm

※「外国人がたくさん日本国籍をとったほうが、早く天皇制は潰れる」「なんとしても日本人を差別して死にたい」等がある質疑応答はHPより、既に削除されている。

以下は、質疑応答の全文。


[質疑応答]

○参加者

 いくつかお聞きしたいことがあるんですが、一つは「国籍取得緩和法案」が自民党などによって準備されましたけれど、その狙いは何かということです。日本の政府は以前は、在日韓国・朝鮮人を外国人であるということで、いろいろな権利から排除してきました。けれど、やはり歴史的な責任もあるし、八〇年代の指紋押捺反対闘争などの運動もあって、今ではそれが通らなくなってきている。外国人として排除するわけにもいかないし、さりとて日本人でもない。そういう、言葉は悪いかも知れないけれど、中間的な存在としての在日韓国・朝鮮人が掛け橋となって、国民という枠が揺らいできているように思うんです。参政権の問題なんかはそうですね。だから、扱いにくい在日韓国・朝鮮人を国民の中に入れてしまうことによって、国民という枠を立直そうということがあるんではないかと思うんです。それで、やはり国民と外国人との間を峻別し続けていきたいんじゃないか。

 もう一つは、それとも関連するんですけれど、国民国家というものをどう考えるかということです。確かに、現状で国民国家を解体して、市民国家というんですか、そういうものに変えるということはできないと思います。ただ、一言に国民国家といっても、不変のものではないんではないか。例えば、昔ある法務官僚が「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」とかいうことを言いましたが、さすがに今ではそういうことは言えない。国際人権の一定の発展とかいうこともあって、外国人の人権ということも、少なくとも建て前としては言わざるをえない。だから、不変固定のものとしての国民国家と市民国家の二者択一ではなくて、その中間的なもの、移行的なものを目指していくということもあるんではないかというふうにも考えるんですが。その辺りのことについて、どういうふうに考えたらいいのか、話していただきたいのですが。

●講師

 「国籍取得緩和法案」の狙いというのは、たぶん、日本に住んでいる人間を国民か外国人かで明確に線引きしようとするところに狙いがあると思います。良いか悪いかは別にして、その線引きが一番分かりやすい。ところが今日本の社会は、在日がいるからその線が引けない状態になっていると思います。在日に外国人としての処遇をしようとすると、それは余りにもひどいのではないかという議論になります。在日に内国民待遇を与えていくと、それに伴って在日以外の外国人にも内国民待遇を与えなければならなくなります。日本政府にとって在日は非常に困った存在であると思うのです。それで、国民と外国人の間に明確に線が引けるようなことをやりたがっている側面も否定できません。しかし、在日韓国・朝鮮人の処遇として在日韓国・朝鮮人が簡単に日本国籍を簡単に取れるようにすることが、良いか悪いかを、皆さんが、主体的にどう考えるかということも問われています。

 例えばニューカマーの人達の処遇をどう考えるかと言ったときに、私は彼らにも日本国籍を与えたら良いと思っています。ニューカマーの処遇問題は国籍法を生地主義に改めれば問題はほぼ解決すると思っています。日本で生まれてきた子供は、民族や出身がどこであろうと全部日本の国籍が取れる。渡日一世の人達は外国籍で残りますけれど、渡日一世と国民との間で一定の差異があってもしかたがないでしょう。ただ、渡日一世についても五年や一〇年ぐらい経てば、地方参政権ぐらい与えるとか、国籍を取れるようにするとか、そういう議論を進めていけばいいんじゃないかと思っているのです。あとは、その人達の多様な民族や人種の教育保障や、就職差別を許さない社会システムをどう作っていくのかとか、そういうソフトの部分に力を注いでいけばいいのではないでしょうか。

 ところが現状は、在日がこの六〇年間苦労して改善してきたにもかかわらず、ニューカマーの人達がまた同じ苦労をしています。その意味では、日本社会は何も変化していなかったのです。これまで、在日にも権利があるように言われてきたのですが、それは全部恩恵だったのです。あれが権利として本当に確定しているのだったら、ニューカマーの人達が来たときにも、医療や福祉などの今日的な問題は起こらなかったはずです。

 こうした状況に対して、どう取り組んでいくのが一番良いのか、私たちの側もしっかりと具体案を持たなければなりません。政府・自民党は持っています。今、考えられている「国籍取得緩和法」が、その一例です。彼らは、これで外国人と日本人の間に明確な線引きをし、在日韓国・朝鮮人を日本人側に取り込んで、それでおしまいにしたがっていると思います。だけど、だからといって「国籍取得緩和法」はおかしいとだけ言っても、問題は解決しません。そう主張するなら在日韓国・朝鮮人の処遇について当事者や国民が納得するような対案が必要です。しかも、現実的な対案です。理想的すぎて非現実的な対案では意味がありません。「国籍取得緩和法案」の狙いは、外国人と国民の間に明確に線を引こうとしているのは、確かにその通りだと思いますが、しかし、すべて否定的に見るのではなく、その方向の中に、新しく創造的なものを追求すれば、在日韓国・朝鮮人次第で、もっと良い社会が実現できる可能性も含まれていると、私は思います。それは自民党とは目標なのですけど、そういうふうにできるか、できないかは、こちら側の問題でもあるわけです。

○参加者

 二つ質問したいんですけど、一つは、今の在日の若い世代がどういうふうに考えているかということです。もう一つは、日本の歴史的責任と在日の権利ということをどう考えたら良いかということです。

●講師

 まず、あなた方と同じくらいの在日の若い世代が何を考えているかということは、私にもよく分からないのです(笑)。たぶん、日本人の若者と同じ感覚だと思います。ただ、在日の青年は自分が韓国人や朝鮮人であることがばれたら嫌だと思いながら生きている人が結構いるということはいえます。それは非常に大きな問題だと思います。自分の持っているものをそのまま出すことができ、社会がそのまま受けとめてくれればそれでいいのですが、やはり差別的な社会ですので、差別を受けるわけです。在日韓国・朝鮮人側にそのことへの恐怖感が強くあることは事実だと思います。だから、日本人の若者と在日韓国・朝鮮人の若者は、日常の生き方の中では考え方なんかは同じように見えても、内心のところではちょっと違うのです。それは、外から見ていてもよく分かりません。我々の時代は、差別がもっと厳しくて社会との緊張した関係があったので、韓国人とか朝鮮人であることを必死で隠すということが外から見てもわかりやすかったのですが……。

 それから、歴史の責任という話ですけれど、これは難しい。ちゃんと歴史的な総括をすべきであるとか、戦後補償をすべきであるとか、これは正しい意見であると思うのですが、正しくても日本社会にはなかなか受け入れられていません。戦後補償もなかなかやらないし、過去の歴史については謝ったではないか、何回謝ったらいいのか、という形になっていると思います。昨今、また教科書問題もでてきました。歴史の問題は今の六〇とか七〇歳の政治家の人達では解決できないのではないでしょうか。若い世代が政治家でもなって、もう少し客観的に歴史を見て、また、韓国のほうも世代交代して、ちょうど同じ世代が侵略の当事者性のない、直接侵略したり、されたりしていない関係性の中議論すれば、共通した歴史観が生まれてくるのではないかと思います。

 戦後補償についても、引き続き訴えていかなければならないと思いますが、かといって過度にそれを主張するのもどうかなと思います。時間をかけて解決するしかないでしょう。本当は、野中さんみたいな人物が総理大臣になって、20世紀末に戦後処理を全部やってしまう。21世紀からは新しい未来関係で行くんだというふうにしないかなと期待していましたが、そうはなりませんでした。やはり21世紀も、地道に時間をかけて解決していくしかありません。

 在日韓国・朝鮮人の権利の問題ですが、今在日韓国・朝鮮人の中で一つの流れとして、日本社会に自分たちはどう貢献していけるのか、こういう言い方をする人達が出てきています。民団や総連は、今まで祖国には貢献しても日本社会に貢献するなんてことは考えてきませんでした。ダーティーな言い方をすれば、日本でお金を儲けてそれを祖国に注ぎ込んだらいいというぐらいのスタンスだったのです。それがある意味では日本社会の不信かった側面があったのではないかと思います。ところが、在日韓国・朝鮮人の事業家たちは、二世や三世がオーナーになってきていて、この人たちが在日韓国・朝鮮人は日本社会にどう貢献していくかということを言い始めているのです。在日の社会にも変化が起こってきています。権利だけを主張するのではなく、権利を持った分どうして日本社会に貢献していったらいいのかを考え始めているのです。

○参加者

 僕は普通の大学院生で、これまであまりこういう問題に直接関わりを持ったことはありません。「国旗・国歌」が問題になったときに、YWCAで「国旗・国歌を考える会」みたいな形で集まりがあって、それを覗かせてもらったぐらいなんです。だから、いろいろ知らないこともあって、お話はすごく勉強になりました。

 それで、一つ聞きたいんですけれど、国籍をとった上で韓国系市民として、どう社会に提言していけるのかということについてなんです。「国旗・国歌」の時もそうだったんですが、日本の公立の中学校なんかは日本の政府ー文部省が直接指導力を持っている学校で、政府の意志が直接反映されていく。それで、在日韓国・朝鮮人の人達が「国旗・国歌」を強制されたときに、自分たちは日本人ではないのにそれを強制されているという意見が非常に多かったんですね。それが「国旗・国歌」に反対する声をあげていた在日の人達の主張の拠所になっていることがあったと思うんです。しかし、韓国系市民として日本国籍をとってしまうと、例えば「国旗・国歌」の問題についてはどうしていくのか。

 それからもう一つ僕が思ったのは、在日の人達は、在日韓国・朝鮮人という枠で自分たちのことを考えてしまい、外国人という枠では自分たちのことを考えていない。ある在日の両親の方が言っていたのは、学校の先生は自分の息子に対して「お母さん」と呼ばせようとしている。でも、私は子供に「オモニ」と呼ばせてきたから、学校の先生のやり方はどうしても納得できない、と言っていたんですね。でも、そんなことを言ったら、ペルー人の子供もいれば、フィリピン人の子供もいるわけですね。それじゃあ、学校の先生はペルー人の子供にはペルー語で、フィリピン人の子供にはフィリピン語でしゃべらないといけなくなるじゃないですか。つまり、在日という枠だけで考えてしまって、どうして他の外国人と連携をとっていかないのかというのが、一つ大きな疑問なんです。さきほどのお話で、ニューカマーの人達は、在日が被ってきたのと同じ苦労をしていると言われたと思うんですが、在日という枠を取っ払って、外国人の連合体という方向性に動いていくということは考えていないんですか。

●講師

 「国旗・国歌」の話で、在日の拠所が、そういう所ではちょっと情けないと思います。日本人でも「国旗・国歌」は嫌だという人はいます。逆のことを言えば、在日の中でも「日の丸」掲げて軍艦マーチかけて走っている人もいるわけです。在日が右翼団体をやっているケースも少なくありません。だから、個人個人の意見ということでいいと思うのですけども。日本人にしても韓国人にしても、それぞれがどういう理由で反対するのかということを、自分の中にしっかり持っていれば、それでいいんじゃないかと私は思います。

 もう一つ、外国人の連合ということですが、私は今大阪の方で多民族共生人権教育センターという研究啓発団体の理事長をやっていますけれど、それは基本的には在日の問題をベースにしながらニューカマーの問題にも取り組んでいけるようにしています。こうした新しい動きが出てきています。ただ、私は外国人としての連携だとか連合だとかいうよりも、コリア系市民、あるいはフィリピン系市民、何々系市民というマイノリティーの連合のようなものを考えています。

 外国人というのを漢字で書いたら、外の国の人となりますが、日本人の外国人に対するイメージと言えば、「害国人」となります。日本の国に害を与える人というイメージです。その外国人のイメージを変えるためにも、例えばフィリピン人は「外国人」ではないようにしたいです。そのためには国籍法を生地主義に改めて、二世以降は○○系日本人になるように、日本人の概念を拡大して、日本人イコール大和民族にならないようにしたいです。繰り返しになりますが、渡日一世については三年ぐらいで市民権的な権利を持てるようにしていくのがいいのではないかと思っています。

 ただ、在日が日本国籍をとるということになると、天皇制の問題をどうするのかという人がいますが、外国人がたくさん日本国籍を取ったほうが、早く天皇制は潰れると思います。というのは、この先もどんどん外国系市民が増えます。ある統計では、一〇〇年後には五人の内三人が外国系になるといいます。そうなれば、日本で大和民族がマイノリティーになるのです。だから、私はあと一〇〇年生きて、なんとしても日本人を差別して死にたいです。これが夢です(笑)。そういう社会が来たら、その時に天皇なんていうのは小数民族の酋長さんみたいなものになります。

こうした素晴らしい戦術があるのに、それを、今の左派のように、日本国籍を取ったらダメだということをやっていたら、いつまでたっても天皇制は温存されたままではないですか。

○参加者

 天皇制の問題も、「日の丸・君が代」の問題もそうなんですけど、一番嫌な議論というのは、在日や部落の人達をどうするんだといって批判するやり方だと思うんです。そんなやり方をするんなら、反対するのを止めといたらと思うんです。やっぱり自分の問題として考えていかないといけないんじゃないかと思って。

 例えば、国籍取得の問題で僕が今一番不安なのは、国籍取得したら今度は徴兵制が敷かれるかも知れないじゃないですか。「テロ対策特措法」なんかできちゃって、自衛隊なんか入る人間いなくなってくるわけですよね。それで、国籍取ったとたん徴兵制なんか出てきちゃったり、九条が改憲されたりしてしまうかもしれない。だから、やっぱり問われているのは日本人だなと思うんです。

 さっき話が出たオールドカマーとニューカマーの問題もそうなんですけど、在日がもっとニューカマーのことを考えなきゃいけないというよりは、日本人がもっとニューカマーのことを考えないとどうしようもないと思うんです。在日が日本国籍を取っている人を含めて一〇〇万人として、純然たる日本人というのは一億人を超えているわけですよね。その一億が変わらないとやっぱり変わらないと思うんです。ただ、一億の人間が全部同じ方向を向くわけはないから、やっぱりどうやって主体的に変えていくのかということを考えていかないといけないと思います。

○参加者

 「国旗・国歌」のことについてなんですけれど、僕は「国旗」についてはやはり必要なんじゃないかと思うんです。どの国民国家もいろんな悲惨な歴史を持っているわけですね。どの国もそうだからといって、別に良いというわけじゃないんですが、やはり国家がある以上、一つの記号として「国旗」というものは必要なんじゃないかと思います。「君が代」の問題については、天皇賛美の歌を全国民に歌わせるというのは、宗教の自由というところから、おかしいと思うんですが。

●講師

 「国旗」が必要だという考えですね。

例えばドイツの国旗が、ナチス時代の「卍」型のものだったら、日本人はドイツの国旗は「ひどいなぁ」と思うはずです。けれども、日本の国旗になると、アジア侵略の象徴であった「日の丸」であっても、それで良いという人が結構いるのです。この感覚は他者(アジアなど)から見たら鈍感としか言いようがありません。でも、文句を言えないのです。なぜかといえば、日本がアジアにいっぱいお金を撒いている(援助)からです。アジアから日本に文句を言って、日本が経済援助してくれなくなったら、たちまち困るのです。文句を言いたくても言えない関係があるのです。

そこで、今、中国がどんどん力をつけています。中国の力が本物になったとき、アジアで日本は孤立するのではないかと心配します。日本ももうちょっと過去の歴史に誠実になって、昔とは違う日本(国民性)を尊敬してもらえるようにならないといけないと思います。でも、金持っている限り誠実にはならないでしょう。近所の成金のおっさんは、やっぱり誠実にはならないですから………。(笑)。

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李敬宰(い・きょんじぇ)
大阪・高槻むくげの会 会長、在日コリアンの日本国籍取得権確立協議会 会長



高槻市が在日団体を提訴へ 中学校の一室不法占拠

 大阪府高槻市は5日、市立第一中学校の一室を1年以上、不法占拠しているとして、同市の在日韓国・朝鮮人団体「高槻むくげの会」に対し明け渡しを求めて大阪地裁に提訴する方針を明らかにした。9月定例市議会に関連議案を提出する。

 市教委によると、昭和60年度に「在日韓国・朝鮮人教育事業」をスタート。市教委は同会と日本語の識字学級や地域子供会などを共同で行い、「便宜供与」として同中学校青少年課分室の一部、約30平方メートルの使用を認めてきた。

 しかし、市教委はこの事業を平成13年度から「多文化共生・国際理解教育事業」に変更。在日韓国・朝鮮人だけでなく、ブラジル人やフィリピン人などにも部屋を開放することになったが、同会が占有した状態が続いた。このため昨年1月、同年3月末までに部屋を明け渡すよう求めたが、「差別、弾圧だ」などと拒否したという。

 同会は4月以降も明け渡しに応じず、部屋を無断で使用して日本語講座などを有料で開催。光熱費は中学校が負担しているという。

 市教委青少年課は「他の市民に説明がつかない」。同会の李敬宰会長は「提訴は非常に遺憾。断固戦う」としている。
(2006/09/06 7:40)
http://www.sankei-kansai.com/01_syakai/sya090602.htm
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by thinkpod | 2006-11-02 02:08 | 半島


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