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2005年 11月 16日

自民結党50年 追われた2人は

 自民党は十五日、結党五十周年を迎えた。半世紀の節目の今年、衆院選で歴史的大勝を収める一方、郵政民営化反対を理由にかつて党を支えた多くの幹部を切り捨て、変質も指摘される。党を追われた元幹部は、五十年目の自民党をどう見ているのか。亀井静香元政調会長、平沼赳夫元経産相に聞いた。 (竹内洋一)

■亀井静香氏

 ——結党五十年を迎えた今の自民党をどう見る。

 自民党はもう死んじゃったね。議席数が増えただけで、レゾンデートル(存在意義)を失っちゃった。北海道から沖縄まで、都会から田舎まで、どうやったら国民みんなを幸せにできるのか、これが自民党の基本的なスタンスだった。それが今は自民党のアンチテーゼになっちゃったね。

 市場原理至上主義、効率主義が、社会生活、経済、あらゆる面の指標になってしまい、それを小泉政治が激しく誘導している。景気が良くなったといっても、二極分化が起きているだけでしょ。この四年間で、中産階級、中小・零細企業が激しく下に落とされ、ホリエモンだか三木谷だか知らんけど、一部だけ何億というカネを握る人が出てきた。こういう社会をつくることは、かつての自民党とは縁がなかった。

 ——自民党はどこで変わった。

 二〇〇一年四月の総裁選で、小泉さんは私と政策協定を結んだ上で当選した。私は三度、首相官邸に行きましたよ。協定を守ってくれと。それが一顧だにされなかった。この間の郵政民営化法案の扱い、衆院解散をみても、その時が始まりだったんだなと思う。

 民主主義は、民意を反映した国会議員が協議しながら進めていくものだ。首相に選ばれてしまえば、他の議員と協議する必要はない、党の意向も聞く必要ない、自分の独断でやっていいというんだったら、これは任期の間、独裁体制を認めろという話でしょう。

 ——誰も首相に異議を唱えられなくなっていると。

 だって(武部勤)幹事長自らが「偉大なイエスマン」だって威張っているんだから。今なら閣僚も党役員も党も要らない。小泉さんが指示したことを、そのまま各省庁が機械のように実施すればいい。そんな状況を誰もおかしいと言わなくなっちゃった。このまま進んでいけば、まさに独裁国家ですよ。

 ——それでも小泉内閣の支持率は高い。

 国民がアホなんだよ。思い上がっていると言われるかもしれないが、あえて言わせてもらう。大人たちの60%が、権力者が目的を達するためには、民主主義のルールを破っても、何をやってもいいということを支持しているとすれば、日本もおしまいだ。

 しかし、こんなに萎(な)えた、批判精神のない、強者に巻かれていけばいいという国民は、小泉さんがつくったんじゃない。国民が小泉首相を生んだんですよ。残念ながら、そんな国民になってきたことには、結党五十年の自民党に責任がある。私にも責任がある。

 ——国民新党は議席も少なく、影響力は限られている。そういう政治・社会状況をどう正していくのか。

 二百九十六議席も持っている自民党だって(小泉政治に)影響力はないじゃないか。数が多い、少ないなんて論議はナンセンス。私は数を増やすことはしない。鮮烈な旗を立てる。場合によっては、国民を叱責(しっせき)する。国民が唾(つば)をかけるか、卵をぶつけるか知らんけど、それは構わない。国民におもねることはしない。

 かめい・しずか 警察庁勤務を経て1979年、衆院議員に初当選。運輸相、建設相、党政調会長を歴任。今年8月、自民党を離党し、国民新党を結成、代表代行に就任。広島6区。当選10回。69歳。

■平沼赳夫氏

 ——特別国会でも郵政民営化法案に反対した。

 党内の有力者からは、今度は白票(賛成票)を投じてくれと説得された。憲法、教育基本法の改正もあるし、賛成すれば罪一等減じられるから、早く党に戻ってきてくれと。だが、法案の内容は変わっていない。私は選挙中に選挙区の辻々で、いかにこの法案は問題があるか演説してきた。私を信じて票を入れてくれた有権者を裏切るわけにはいかなかった。

 ——処分は除名ではなく、離党勧告だった。

 除名は当然だと思っていたので、意外だった。法案に反対を貫いて、激励のメールがすごく来ている。これは憶測だが、党本部はここで平沼を除名にすると、あいつを一躍、悲劇のヒーローみたいにしてしまうと考えたのではないか。そこで野田聖子氏らと一緒に離党勧告にした。

 ——離党した今、自民党をどう見ているか。

 特別国会では、小泉首相が本会議場のひな壇に入ってくると、かつてのソ連共産党か中国共産党と同じように、自民党から熱烈な拍手が沸く。二十五年間、衆院議員でいるが、初めて目にする光景ですね。従来の自民党から随分変質してしまった。ある意味では小泉独裁体制だ。こういう中で結党五十周年を迎えたのは非常に恐ろしい。

 党三役も全部イエスマンになってしまった。昔は党三役というのは、もちろん総裁の言うことを履行する責務があったが、総裁が行き過ぎた場合には、ブレーキをかける役割も担っていた。そういうことがまったくなくなってしまった。

 ——小泉内閣の発足当初は、経産相だった。

 そのころの小泉さんは、今より割合フレキシビリティー(柔軟性)があり、独裁的ではなかった。例えば、彼は内閣発足時に補正予算を組まないと言っていた。私が「財政再建と経済活性化という車の両輪を回さないと、いつまでたっても堂々巡りになりますよ」と主張したら、彼は結果的に三回補正予算を組んだ。

 小泉さんは今度の衆院選直前から変質を遂げ、より独裁的、強権的になってきた。党内議論、手続きを省き、郵政法案を通すために、ありとあらゆる威嚇、恫喝(どうかつ)、懐柔をやった。日本は代議制で、すべての政策を国民投票にかけるわけにはいかない。だから参院で法案が否決されたことは、もっと重く受け止めなければいけないのに、強引に衆院を解散した。そして反対を唱えた者には「刺客」を送り、抹殺しようとした。

 ——その手法が支持され、自民党は圧勝した。内閣支持率も上がっている。

 私の選挙区では、まだ刺客の名前も分からない段階で、その人に入れようと決めてしまっている層がすごくいた。誰でもよかったわけですよ。平沼は今まで支持していたけど、小泉に歯向かっていると。小泉マジック流集団催眠で、一種のマインドコントロール状態だったのではないか。小泉さんは天才的にビジュアルなマスメディアの使い方に長(た)けている。支持率が伸びているのもそこだと思う。

 ——以前は次期首相候補の一人といわれた。今の立場に悔いはないか。

 まったくありません。むしろ、すがすがしい気持ちですね。試練だと思って、原点に立ち返り謙虚にやりたい。今は無所属で厳しいが、貫いていって、真に正しい保守、「真正保守」をつくっていきたい。

 ひらぬま・たけお 日東紡績勤務を経て1980年、衆院議員に初当選。議院運営委員長、運輸相、経済産業相を歴任。今年10月末、自民党を離党し、無所属に。岡山3区。当選9回。66歳。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20051115/mng_____tokuho__000.shtml
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by thinkpod | 2005-11-16 01:31 | 政治経済


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