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2005年 11月 12日

遺棄化学兵器問題 訪中議員団の視察中止 中国要請、棚上げ狙う?

 自民、公明、民主三党の議員団が今月下旬に旧日本軍の遺棄化学兵器の埋設地である吉林省・ハルバ嶺の現地視察を計画していたが、中国側の要請で突然中止になったことが十日、分かった。曽慶紅国家副主席らとの会談は実現する予定だが、遺棄化学兵器問題は大きな議題にはならないとみられる。政府は、遺棄化学兵器の埋設状況や処理事業の実態検証をさらに徹底させる方向で検討を進めているが、中国側は問題の棚上げを狙ってくる可能性もある。

 現地視察を計画したのは、遠藤乙彦衆院議員(公明)が会長を務める「日中新世紀会」。

 関係者によると、当初の計画では、中国外務省と中日友好協会の招請で、今月二十八日に中国入りし、ハルバ嶺の埋設現場と処理施設建設予定地を視察。その後、吉林省延吉市で朝鮮族との対話集会などを実施し、北京で中国要人との会談を行う予定だった。中国側も了承して十月中旬には日程表もできあがっていたが、今月初め、中国側が突然「ハルバ嶺付近はすでに凍結しており、道路事情が悪い」として計画の変更を要請してきた。

 吉林省入り自体も中止になり、代わりに二十八日に福建省・厦門で中台経済協力の現状を視察することが決定。その後、北京入りし、曽慶紅氏や、黄菊筆頭副首相、唐家●国務委員らと会談し、来月三日に帰国することになったという。

 参加議員は、団長の遠藤氏のほか、松浪健四郎衆院議員(自民)、宇野治衆院議員(同)、沢雄二参院議員(公明)、古賀一成衆院議員(民主)。加えて伊藤達也前金融担当相(自民)、鴨下一郎衆院議員(同)、竹下亘環境政務官(同)が北京での日程のみ参加する予定だという。

 中国要人との会談では、台湾問題のほか、東シナ海のガス田開発など日中間の懸案事項について幅広く意見交換する予定。参加者の一人は「現地視察できないのは残念だが、中国要人との会談で遺棄化学兵器についても忌憚(きたん)のない意見を交わしたい」と話しているが、中国側はこの問題を議題とすることに消極的な姿勢だという。

 先月十九日の衆院内閣委員会で、政府側は、遺棄化学兵器の推定埋設量を当初説明していた七十万発から、三十万−四十万発に下方修正。約二百万発とする中国側の主張は誇大との見方が強まった。先月末の内閣改造では、対中強硬派の麻生太郎氏が外相に、安倍晋三氏が官房長官に就任。安倍氏はこの問題に詳しい山谷えり子参院議員を担当政務官に起用した。

 政府は来年度予算で約二百五十億円を計上する方向で検討しているが、中国側要求をそのままのめば最終的な日本側の拠出額は一兆円を超えるとの試算もあり、与野党からの反発も予想される。
●=王へんに旋

遺棄化学兵器問題 訪中議員団の視察中止 中国要請、棚上げ狙う?

by thinkpod | 2005-11-12 03:57 | 中国


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