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2005年 10月 26日

靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲

 政府は二十五日の閣議で、さきの大戦後、連合国によって「戦犯」とされた軍人・軍属らが死刑や禁固刑などを受けたことについて、国内法上は戦犯は存在しないとの見解を明確にした答弁書を決定した。首相の靖国神社参拝に関しては「公式参拝」であっても、宗教上の目的ではないことが外観上も明らかな場合には、憲法に抵触しないとの見解を改めて示した。いずれも民主党の野田佳彦国対委員長の質問主意書に答えた。

 答弁書は「(極東国際軍事裁判所やその他の連合国戦争犯罪法廷が科した)刑は、わが国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」と指摘。A、B、C各級の「戦犯」は、国内では戦争犯罪人とはいえないことを明確にした。

 この問題で自民党の森岡正宏厚生労働政務官(当時)は今年五月、「(戦犯とされた人々は)罪を償っており、日本国内ではもう罪人ではない」と発言したが、細田博之官房長官は「政府見解と大いに異なっているので論評する必要もない」と述べていた。

 また、答弁書は首相の靖国参拝に関し、「戦没者の追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合は、憲法二〇条三項の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」との見解を改めて表明した。

 靖国参拝について藤波孝生官房長官(当時)は昭和六十年、「首相、閣僚が国務大臣としての資格で戦没者の追悼を目的として、靖国神社の本殿、社頭で一礼する方式で参拝することは、憲法の規定に違反する疑いはない」との政府統一見解を発表している。

 首相の靖国参拝をめぐっては、大阪高裁が拘束力を持たない「傍論」で靖国参拝を「公的行為」と認定。憲法の禁止する宗教的活動に当たるとしたが、政府見解はこれを真っ向から否定した。
[sankei]

「反対派の論理破綻」民主・野田氏

 民主党の野田佳彦国対委員長は、首相の靖国参拝に関して政府に提出した質問主意書で、「『A級戦犯』と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀(ごうし)されていることを理由に首相の靖国神社参拝に反対する論理はすでに破綻(はたん)している」と主張した。A級戦犯合祀を理由に、首相の靖国参拝を批判する前原誠司代表らと一線を画し、波紋を呼びそうだ。

 野田氏は「サンフランシスコ講和条約と四回に及ぶ(戦犯釈放を求める)国会決議と関係諸国の対応によって、A級・B級・C級すべての『戦犯』の名誉は法的に回復されている」と指摘。その上で「社会的誤解を放置すれば、『A級戦犯』の人権侵害であると同時に、首相の靖国参拝に対する合理的な判断を妨げる。『A級戦犯』に対する認識を再確認することは、人権と国家の名誉を守るために緊急を要する」と訴えている。

 また、講和条約一一条の和訳をめぐり、「外務省訳の『裁判』は『判決』の間違い」との指摘があるにもかかわらず、政府が「東京裁判などの『裁判』を受諾した」としている問題に言及。「裁判を受諾した場合は、日本は『南京大虐殺二十数万』や『日本のソ連侵略』などの虚構も含め、満州事変以来一貫して侵略戦争を行っていたという(裁判の)解釈を受け入れたことになる」と批判した。

                  ◇

 【野田氏の質問主意書要旨】

 民主党の野田佳彦国対委員長の質問主意書の要旨は次の通り。

 「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀されていることを理由に首相の靖国参拝に反対する論理はすでに破綻している。「A級戦犯」に対する認識を再確認することは、人権と国家の名誉を守るために、緊急を要する。

 「A級戦犯」として有罪判決を受け禁固七年とされた重光葵は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり、勲一等を授与された。同じく終身刑とされた賀屋興宣は池田内閣の法相を務めている。これらの事実は「戦犯」の名誉が国内的にも回復されているからこそ生じたと判断できる。

 重光、賀屋らの名誉が回復されているとすれば、同じ「A級戦犯」として死刑判決を受け絞首刑になった東条英機以下七人、終身刑ならびに禁固刑とされ、服役中に獄中で死亡した五人、判決前に病のため死亡した二人もまた名誉を回復しているはずである。

 「A級戦犯」とは、極東国際軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及(そきゅう)、罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないと解釈できる。
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by thinkpod | 2005-10-26 16:56


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