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2005年 10月 05日

特定失踪者問題調査会 北へ短波ラジオ放送 今月中にも拉致被害者に家族の声

 北朝鮮に拉致された可能性を排除できない行方不明者を調べている「特定失踪(しつそう)者問題調査会」(荒木和博代表)は、北朝鮮にとどめられたままの拉致被害者らに向けて、短波ラジオ放送を始める準備を進めている。一見、“奇策”にも映るが、調査会は北朝鮮では米国の「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」などの短波放送が聴取できることに目を付けた。早ければ十月中にも放送開始に踏み切るという。(中村将)

 調査会によれば、短波放送は、ある国の電波配信会社を通じて行う計画。北朝鮮側から妨害が入る可能性があるため、しばらくは会社名や会社の所在地などの情報は公表しないという。当初は、一日三十分程度、深夜などに荒木代表が特定失踪者の氏名と失踪年月日を読み上げたテープを放送で流す。費用は年間約三百万円。

 放送が無事行われることを確認した後、政府が認定する横田めぐみさん=拉致当時(13)=ら拉致被害者についても、家族の同意を得て、読み上げる名前に加える。さらに、被害者らの家族の生の声をテープに録音し、メッセージとして流す計画だ。

 調査会は、七年前に北朝鮮を脱出した元朝鮮人民軍芸術宣伝隊員(43)がVOAを通じて韓国から対北放送を行ってきたことなどをヒントにした。

 北朝鮮では、ラジオのチューナーがハンダ付けされていることが一般的で、聴取できる放送は限られている。しかし、「ハンダを外して周波数を合わせ、VOAなど短波放送を内証で聴いている人民は意外に多い」(北朝鮮事情に詳しい専門家)という。また、脱北者の七割がVOAなどを聴取していたとの調査結果もある。

 こうした状況に、北朝鮮当局が神経をとがらせている様子もうかがえる。

 非政府組織(NGO)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)が入手した「異色的生活風潮を流布させる敵どもの策動を徹底的に打ち破ることについて」と題した北朝鮮の内部文書。

 今年四月下旬に朝鮮労働党員と勤労者向けに印刷されたこの学習資料には「今、敵どもはわが内部に異色的な生活風潮を流布させようと、これまでよりも悪辣(あくらつ)に策動している」と書かれている。

 ≪いくつか見るだけでも、「自由アジア放送」を通じた朝鮮語放送の時間を大幅に延ばして、これを通じてわれわれの社会主義制度を中傷し、堕落した生活風潮を賛美する内容を流し続けている…≫

 自由アジア放送はワシントンに本部を置く米政府系の放送局で一九九七年三月から北朝鮮向けに放送を開始した。

 中朝国境周辺では行商人らを通じて高性能の小型ラジオなども大量に北朝鮮内に流入しており、当局は摘発に躍起だ。だが、VOAや自由アジア放送と同様に、調査会の短波放送も聴取できるようになれば、拉致問題を北朝鮮内部にも広く伝えられる可能性がある。

 調査会の荒木代表は「政府は認定した拉致被害者のことしか北朝鮮側に迫らないが、認定されていない拉致被害者はもっとたくさんいる。政府が動かないので、われわれがやるしかない。すべての被害者らが北朝鮮で放送を聞けば、救出活動は続いているという励ましにもなる」と話す。
Sankei

by thinkpod | 2005-10-05 06:44 | 社会


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