2005年 09月 23日
【ニューヨーク=長戸雅子】ゼーリック米国務副長官は21日、先の米中首脳会談に関連してニューヨーク市内で講演、第2次世界大戦をめぐる中国の対日歴史観について、「かなりのギャップを感じるところもある」と違和感を表明、日米中3カ国の歴史専門家による協議で認識格差を緩和できるのではないかと提言。米政府高官が日中間の歴史認識摩擦に関して踏み込んだ発言を行うのは珍しい。 同国務副長官はまた、「閉ざされた政治が将来もずっと中国社会の姿となることはあり得ない」と予測し、「国民に信頼され、説明責任を伴った政府となるよう政治的な移行が必要」と、共産党一党独裁体制から民主体制への移行を促した。 第2次大戦をめぐる日中間の歴史認識に言及して、「中国にとり、日本との歴史認識問題が敏感な問題であることは理解できる」と述べる一方で、満州事変(1931年)を糾弾する中国・瀋陽にある「9・18歴史博物館」を訪れたことを例に挙げて、米国が参戦した1941年からソ連軍の日本侵攻までの年代順記述が飛ばされていた点を指摘、「中国が語る歴史にもかなりのギャップがあると認識した」と疑問を示した。 そのうえで「3カ国の歴史家による協議を始めることで、こうした『誤解』を少なくすることが可能だ」と述べ、日中両国の歴史認識をめぐる問題に、米国が一枚かむことが解決の一歩になるとの考え方を提示した。 【2005/09/23 東京朝刊から】
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| 2005-09-23 16:36
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